熊本でのムクドリ撃退後のクスノキは元気?



3月4日~3月5日にかけて、ムクドリの「ねぐら」を切り詰め剪定しましたが、その後のクスノキはどうしてるのか?ムクドリは残留していませんでしたが、切り詰め剪定されたクスノキは新緑が戻って樹勢が回復しておりますので一安心です。


6月15日の現在、新芽が元気良く伸びていますが、この青軸にアブラムシ・クスクダアザミウマなどの吸汁性昆虫が加害した痕にクスノキ炭疸病菌が侵入して枯死する原因になります。防除対策は6月と7月にオルトラン粒剤を散布して殺虫することを提案しました。年内には昨年並みの緑量は確保できると思われます。

写真1

写真1

写真2

写真2

ムクドリの置き土産(センダン種子)が根元緑地にたくさん発芽しています(写真-2)。糞のお陰で肥料は必要ありませんね。清潔・安心・きれいな交差点になりました(写真-1)。

樹木医(5期会)の情報交換会

平成4月25日~26日

 打撃音樹内腐朽簡易診断装置(ぽん太)の説明会に参加し、会社訪問しました。早い、安い、簡単に主幹の腐朽部が図示化できることが便利です。これを活用して、熊本の街路樹・公園樹などの安全管理に少しでも貢献できればと考えています。より多くの樹木医が使用して倒木の可能性のある樹木診断のスキル向上につながれば良いですね。

出雲大社

出雲大社

樹齢400年以上のクロマツ

樹齢400年以上のクロマツ


 平成から令和へ進む心構えと、樹木診断研究会のレベルアップを祈念してお参りしました。出雲地方の屋敷林「築地松(ついじまつ)」は生活に密着した風景で文化財として貴重な樹木林です。残念ながら保存・保護が困難で少なくなっています。

2019全国さくらシンポジウムin二本松  日本花の会

福島県二本松市にて 4月11日

福島県二本松市にて 4月11日

パネルデイスカッション 参加者1000人で盛大な大会でした。

パネルデイスカッション
参加者1000人で盛大な大会でした。

三春の滝桜  若林氏撮影

三春の滝桜  若林氏撮影

エドヒガン系 幹周11.3m

エドヒガン系 幹周11.3m

ようやく会えました!!  鈴木樹木医(6期)が、養生管理しています。観光客の多さで周囲は混雑し、車は渋滞。1本桜のオーラが輝き、日本一のシダレ桜です。

国指定 杉沢の大杉 樹齢1000年

国指定 杉沢の大杉 樹齢1000年

樹高50m 幹周12.8m

樹高50m 幹周12.8m

お見事!!と叫びたくなるような1本杉で、三春の滝桜の近くにあり半日で国天が2本も見られるとは幸せでした。車で案内して頂いた、若林樹木医(10期)・蓮實樹木医(14期)には感謝です。

合戦場の桜 若林氏撮影

合戦場の桜 若林氏撮影

幹周約3.0mの2本が参道に対で植栽

幹周約3.0mの2本が参道に対で植栽

所有者の三浦氏が熱心に説明していただきました。年間200日は一人で管理。

中島地蔵の桜 若林氏撮影

中島地蔵の桜 若林氏撮影

樹齢150年 樹高10m 枝幅30m

樹高10m 枝幅30m

中島の地蔵桜を守る会で管理。ライトアッブで水田に映し出された夜景の荘厳さや、背景に安達太良山が望めるなど1本桜の自然な演出がすばらしい!!さらに、樹皮に縦列がはっきりと見えエドヒガン特有の性質がでており、花も多く樹勢も旺盛でした。
地元の人々の心からの御もてなしに感激で、お茶や梅の漬物なども美味しく頂き、感謝・感謝です。良い想いで、ありがとうございました。

熊本の桜開花宣言が遅れた意外な理由!!

 九州での開花宣言は、平成31年3月20日に長崎で開花宣言され、3月21日に福岡が続いて、熊本は3月26日で平年より3日、昨年より9日遅れの開花になりました。熊本地方気象台は遅れた理由として、休眠打破が暖冬で進まず、3月中旬以降の気温が低かったことが影響していると分析しました。これは「開花を観て、木を診ていない観測」ではないかと私は考えます。熊本地方気象台の標本木は、平成23年に合同庁舎への移転を機に新しく植えられたソメイヨシノですが、熊本駅周辺事業の計画地盤高の変更等があり、結果的に植栽地盤高との差が生じて深植え状態になり、根が呼吸できにくい環境になっていると指摘されています。桜類は浅根性なので深植え状態に耐えられる樹種ではなく、植栽後の呼吸困難による後遺症で樹勢が衰弱して、開花が遅れたことになります。周囲のソメイヨシノは開花しているのに標本木だけが開花できなかったのは、標本木自身に問題があると考えられます。
桜標本木(写真-1・2)は外見からも下枝が低い位置にあり、深植えされていると判断できます。さらに根元に電線類が埋設されて根系切断も考えられ、樹形も小枝が歪曲し始めており、このままでは来年以降も開花が遅くなると推察されます。桜以外に標本木の植樹帯はヤマモミジ(写真-3)・イチョウ(写真-4)等もあり、それらも主幹・枝の枯れ下がり症状が診られ衰退化しています。

 熊本の桜開花宣言が遅れたのは気象関係ではなく、深植え等による根系障害で、人災の可能性もあるのではと私は考えています。

標本木2本(3月20日・写真-1)

標本木2本(3月20日・写真-1)

標本木(写真-2)手前にマンホール

標本木(写真-2)手前にマンホール

3月26日(開花宣言)

3月26日(開花宣言)

4月4日(満開宣言)

4月4日(満開宣言)

ヤマモミジ(写真-3)枝枯れ

ヤマモミジ(写真-3)枝枯れ

イチョウ(写真-4)主幹が枯死

イチョウ(写真-4)主幹が枯死


ムクドリ退散の一例・熊本市中央区

熊本市で一番大きな水道町交差点に植栽されているクスノキ(幹周約1.5m)が角々に4本あります。これらのクスノキがムクドリの「ねぐら」になり約5000羽が集団で居ついています。落下糞・悪臭・羽毛・鳴き声などによる被害が深刻な状態になっており、市民から苦情が出ています。市役所から、クスノキの剪定と景観についての相談があり、私は切り詰め剪定と養生再生についてのアドバイスをしました。

平成31年2月20日 クスノキ

平成31年2月20日 クスノキ

ムクドリ糞(センダンの実)

ムクドリ糞(センダンの実)

クスノキNO.2 切り詰め剪定後

クスノキNO.2 切り詰め剪定後

3月9日 電線などに約5000羽

3月9日 電線などに約5000羽

3月10日雨天 約1500羽

3月10日雨天 約1500羽

3月12日約1200羽

3月12日約1200羽

3月14日 約700羽

3月14日 約700羽

3月16日 47羽

3月16日 47羽

クスノキ切り詰め剪定後、この交差点から10日くらいでムクドリが全て退散しました。こ の大きな原因は、「ねぐら」を切り詰め剪定されて3月10日に雨が降り、雨宿りができない、風が強く羽が乱れる等の理由があるのかもしれません。他に餌場の変更、安全な場所を近くで見つけ、繁殖期に入ったなどの要因も考えられます。
3月17日は、ムクドリの姿は確認できず、0羽でした!!
いずれにしても、この場所からムクドリが退散したことは事実です。幸運だったかもしれませんが?

つづく

「寂心さんの樟」の後継樹を育てるよ!

 熊本市立北部中学校の緑化委員会で、寂心さんの子孫を残そうとする取り組みが行われました。文部科学省の教育プログラムの一環で、地元中学生6人が代表で採集に行きました。日本一美しい大楠の後継樹を守り育てる学習です。

 2月20日の熊本日日新聞の朝刊に掲載された、北部中学校の緑化委員会の生徒達です。寂心さんの下で落下した種子苗14本を採集して、コンテナに移植して高さ1.0mくらいに大きくなるまで教室で育てて校庭に移植する計画です。
熊本市立大江小学校の「大エノキ」後継樹を育て、これからの養生管理などの勉強会を、2月25日にしました。6年生70人が熱心に学習して、多くの質問が出ました。

 終了後に小学6年生3人から質問攻めです。大エノキのクローン苗(接木)は元気でのびのびと成長しています。実生苗も一緒に育っており後継樹は安心です。

2019年 熊本の桜開花日に異変?

 平成31年2月15日に、熊本気象台から古町小学校へ突然の桜標本木の変更通知には驚きでした。当初は5年間の観測予定で、ここ3年間の古町小と合同庁舎前の標本木の開花日の差は殆どなかったので変更したとの理由です。とすれば病気に罹り弱った桜(古町小)と新しい桜標本木(合同庁舎)の開花日の相違がないならば樹勢も衰退していると考えられます。これもまた心配ですね。標本木で5個の花が開けば、開花宣言です。そのことだけ:に注目し、標本木の健康度はあまり関心がなかったのではないか?
 熊本気象台から変更されて残された古町小の元桜標本木は、熊本市教育委員会や古町小学校などが自費で病気治療するみたいです。古町小の元標本木は2本あり、本当にお疲れ様でした。感謝します!! しかし子供たちは残念に思っているようです・・・。

 新しい標本木を見に行きました!! やはり衰退しはじめていました・・・。


 平成31年2月16日 合同庁舎前の桜標本木(2本) 樹形に乱れあり。

 新しい標本木の衰退原因の一つは、植栽時の深植え(盛り土)状態で生育しており、少し樹勢の衰退が診られます。古町小学校と開花日が殆ど変わらなかったというのも納得できます。若木としての樹形はマアマアですが少し小枝などは湾曲しています。早期発見ですから早めの治療で健全な標本木に回復させることは可能です。熊本のさくら開花宣言は、胸を張って公表できるようにしたいものです。今のままの状態では、1日遅れの開花宣言になると思われます。

 気象庁の皆さんに、全国のさくら標本木の品質(健康度)を検証されることを提案します。

熊本市学校緑化コンクール相談部門

 熊本市でのソメイヨシノの標本木が、古町小学校に2本あります。相談部門での依頼でしたが、標本木が「こぶ病」に罹病していました。小枝に発病しているのは、山桜から感染した「こぶ病」の可能性があります。防除が困難な病気の一つです。

ソメイヨシノ標本木(古町小)

ソメイヨシノ標本木(古町小)

こぶ病(ウイルス性?)

こぶ病(ウイルス性?)

チハラザクラ(城西小)

チハラザクラ(城西小)

コフキタケ(山東小) 伐採予定

コフキタケ(山東小) 伐採予定

 チハラザクラの原木は3年前の台風で倒木して枯死しました。チハラザクラは300年前以上に京都か関東から、何かの事情で持ち込まれたと考えられます。一枝に白花の一重、二重、八重咲きが開花する珍しいサト桜(オオシマ桜系)です。ソメイヨシノより3日~5日程度遅く花が開きます。

「北部中緑化活動推進講座」

「北部中緑化活動推進講座」

平成31年1月30日

平成31年1月30日

 北部中学校緑化委員会(約60名)、北部中教職員(10名)の勉強会の講師を親子樹木医で務めさせていただきました。「寂心さんの樟」の地元であり、熱心な質問に感心しました。樹木の名前を覚えることからスタートです。

県指定「臥龍梅」がピンチ

 平成31年1月20日の熊本日日新聞に掲載されました。熊本大学名誉教授・内野氏、熊本県文化課、八代市、松井葵之氏、松濱軒事務局長、臥龍梅保存会、TKUテレビ、FM八代、熊本日日新聞、など多くの人が集り、経過報告と樹勢衰退の原因を説明しました。これからの治療についての意見交換をして行政などとの話し合いは不可欠です。

 私は、所有者の松井さんの依頼により、平成22年頃から診断調査してきましたが、「臥龍梅」は国指定や県指定の規制がありますので治療までの工程はまだまだ時間が必要でした。今日の会合で1歩前進したことは確かですが、樹勢は衰弱しており枯死寸前の状態で、根力を強くする早急な対応をするつもりです。周囲に生垣が植栽されて見通しも悪化しており、さらにウレタンや鉄筋が老樹に付着しており美観上も見苦しいなどの問題もありますので、樹勢回復にはしっかりと対策を練ります。

平成31年1月18日 現在

平成31年1月18日 現在

平成31年1月18日 現在

平成31年1月18日 現在

平成23年3月 開花状況 過去

平成23年3月 開花状況 過去

平成24年5月 結実状況 過去

平成24年5月 結実状況 過去

県天「寂心さんの樟」 神様の木に会う~にっぽん巨樹の旅~

 平成31年1月1日の22時00分から2時間、NHK BS4Kで、次回は1月4日の21時30分から2時間、NHK BSプレミアムで、放送されました。1月5日の15時20分から2時間、NHKワールド・プレミアム(日本語版)で放送され、国際放送もされる予定だそうです。
 番組内容は、山高神代桜・北金ヶ沢のイチョウ・蒲生の大楠・寂心さんの樟・縄文杉・志々島の大楠・和池の大カツラ・善福寺のイチョウ・岩屋の大杉など多くの巨樹が紹介され、それぞれが1本の物語りとして興味深い文化的な作品になっており感動しました!! 「寂心さんの樟」では、日本で一番美しい巨樹として紹介されました。参拝者の一人で杉本フクノ(94歳)さんの人生を通して、興味深く取材されており神様にお祈りされている様子が丁寧に撮影されています。私は夏の日に、熱中症対策で根元に潅水して樹体温度を下げている状況を「樹木医 今村順次」という肩書きで映されました。
 北海道では倉本聡さんの絵画されている様子を紹介、さらに水木しげる先生の想い出で話は「バオバブ巨樹は道路を挟んで地下を潜って根で握手して会話しているのだ」とのお話は樹木医の心に響く言葉でした。

① NHK BS4K 1月1日22時~24時
② NHK BSプレミアム 1月4日21時30分~23時30分
③ NHK NHKワールドプレミアム(日本語版)
④ その他国際放送も予定されています