樹木医ブログ
「寂心さんの大樟」の暗渠排水について
大江小学校でカタルパの取材を受けました
「寂心さんの大樟」が樹勢回復しはじめたことが熊本日日新聞7月12日朝刊に掲載されました
カタルパ倒木 大江小学校
熊本市立大江小学校のシンボルツリ-として大切にされていたカタルパ(アメリカキササゲ)が台風3号で7月4日の午前9時40分ごろに倒木しました。7月8日(土)に復元(引き起こし)を実施する予定でしたが、大雨の影響で13tクレーン車がグランドに入場できないとの判断で延期して、7月15日に無事施工できました。 倒木の主な原因として強い風圧は当然ですが、植栽されていた場所が根腐れ(排水不良)状態であり根量が疎であったことも確認できました。掘削の際に溝(どぶ)の悪臭が発散していましたので対策も早めに講じなければなりません。幸いなことに剪定後に新芽(写真-1)が発生しておりカタルパの生命力の強さを実感しましたが、これからの養生管理が重要です。
このカタルパさんは、徳富記念園にある2世の挿し木でクロ-ン(分身)です。明治13年1月にアメリカ(オハイヨ州)から新島襄に送られて来日し、同年11月に徳富蘇峰に贈られた種子の子供になります。昭和62年4月に、野水館長(当時)が2世の枝を挿し木していた苗を大江小学校へ贈り、記念植栽したと伝えられている。
熊本県指定天然記念物「寂心さんの大樟」の報告
クスノキ熱中症タイプによる枯死の一例
大智禅師(1290-1367)を訪ねて・・石川県白山市 6月22日
1330年頃に菊池一族が大智禅師(坐像)を招聘。禅師が祇陀寺を去るときに挿し木した杉が御仏供杉(おぼけすぎ・おぶくすぎ)国指定天然記念物です。樹齢約700年!
大智禅師が菊池へ行くときに、墨染桜(菊池)を持参した可能性がありますが、親株は樹齢150年位で疑問があります。菊池14代の武人公(寂照)が1368年頃に詠われた詩は残されていますが、墨染桜はオオシマ桜系統で園芸価値の高い品種で調査中です。