熊本市の街路樹伐採はいったん中断!!

ケヤキは2本とも伐採

ケヤキは2本とも伐採

イチョウは5/8を伐採

イチョウは5/8を伐採

 

 2路線で502本を伐採する計画で賛成・反対の意見が新聞紙上でも激論されています。5月22日の熊日新聞朝刊で伐採計画が報道されると、6月4日の朝刊で矢加部氏(元熊日記者)が「森の都」原点に返り再考を!の記事が掲載され、伐採の再考を熊本市民から多くの投書が熊日新聞社や市役所に届きました。6月25日の朝刊で、大規模な伐採計画の詳細が報じられた。記事中で、「街路樹伐採は脱炭素社会を目指す時代の流れにも逆行する」との私の考えも掲載されました。6月26日の熊日で街路樹伐採計画は大西市長の英断で「いったん中断された」との報道がありましたが、中断されても街路樹管理・景観・安全性などの問題はまだ残っています。沿線住民や市民の理解と協力が、未来の熊本市が「森の都」か「火の国砂漠」になるかの分岐点に来ています。

 樹木の大気浄化効能は、葉面で二酸化炭素を吸収し酸素を出す光合成を行い、葉中の水分を放出し、葉温調節や根からの養分・水分の吸い上げを行う。同時にSO₂、NO₂等のガス状の大気汚染物質も吸収します。このように樹木(葉)は毎日環境汚染を減らすために頑張っており、蒸散作用でビル街の温度を下げる役目も兼ねています。自然のクーラーです!!
単木の葉面積当たりの年間総CO₂吸収量は1m²当たり3.5kgCO₂/m²で、イチョウ(胸高直径50㎝)では木全体の葉面積が推定1000m²なので、これを掛ければ3500kgと推測されます(参考・大気浄化植樹マニュアル 平成15年改訂)。つまり、このイチョウ1本を伐採することで年間約3500kgのCO₂等が吸収されず、脱炭素社会を目指す時代の流れに逆行することを理解していただきたい。樹木は炭素を固定しており、それを伐採して焼却すれば炭素が放出されて温暖化を助長するからです。

 さらに伐採計画の樹木たちは、ヒートアイランド現象が現れやすい高温帯に植栽され、蒸散作用や緑被効果で気象緩和も期待される。市街地の街路樹は、防音・防火効果もあり、緑に対する安心感・季節感などの心理的効果も演出しています。危険樹木以外で、人間の都合で健康な街路樹を伐採してはいけない。グリーンフアーストの精神で、「森の都」熊本を再生したいのが私の原点(動機)です。