千原桜は熊本を代表するサトザクラ


 千原桜は熊本市立城西小学校に原木の子孫が残っており、約300年前に京都か江戸から持ち込まれた桜ではないかと推測される。ソメイヨシノより少し遅く開花し、一重八重咲の純白の花が1本の枝に着生する品種で、このような咲き方の桜は、墨染桜(菊池)・駒留の桜(菊池)・御車返し等があります。チハラ桜はオオシマ桜の系統品種(サトザクラ)で、花の芳香が強く漂うなど熊本では存在感のある桜です。大輪の白花が開きはじめると緑色の新芽も同時に伸びてそのコントラストが綺麗でより豪華さが目立ちます。樹形は円形で乱れることはなく、天狗巣病や瘤病には罹りにくい性質で、これからの桜品種として期待される桜の一つです。江戸時代の参勤交代の時に、関東から持ち込まれた可能性があります。


 上記の桜はオオヤマザクラの巨樹(森林総研の丸山地区)で、戦時中この場所に護国神社の建設予定地でしたが中止になり基礎石などは残っているそうです。この桜は、それ以前に記念樹として植栽されていたのではとの言い伝えがあります。3月15日に撮影した時は花の終わり頃で、この桜は早咲きの系統と思われます。オオヤマザクラは白花で散形花序ですが、ベニバナ種はまだ蕾状態で開花は遅く、樹形も異なり変異株が多い。下記の写真がその系統です。


 オオヤマザクラの紅花種で、自社の小国圃場に咲き誇っていたベニヤマザクラです。3月31日に撮影。


 ソメイヨシノは天狗巣病に罹りやすいことですが、この陽春(品種名)は天狗巣病に罹りにくい品種として期待され、熊本市内の白川左岸の緑の区間に植栽されています。樹形はあまり横に張らず花数も多くて見栄えも優れ、樹勢が強健で生産しやすい品種です。


 森林総研の鑑定で、御衣黄と鬱金はDNA鑑定では同体で枝変わりとされています。熊本市黒髪の宇留毛神社の境内で2本一緒に咲いています。3月31日ころが満開でしたが、撮影時は散り際で花弁に赤筋が出ていました。4月5日。