「寂心さんの大樟」の暗渠排水について

写真-1 7/3 PM

写真-1 7/3 PM

写真-2 7/4 AM

写真-2 7/4 AM

写真-3 集水枡の状況 7/3

写真-3 集水枡の状況 7/3

平成29年7月3日は台風3号の影響で降水量が50mm/日以上あり、すり鉢状態の根域では雨水で満杯に近い状態(写真-1)でしたが翌日(7月4日)には停滞水はほとんど下層に浸透(写真-2)して消滅しています。これは土壌の暗渠排水構造が良好に機能しており集水枡へ流入(写真-3)しているからです。

大江小学校でカタルパの取材を受けました

カタルパ(アメリカキササゲ)の新芽が伸び始めて一安心です。
平成29年8月7日に大江小学校で、RKKラジオの取材中。

RKKラジオ ラジオのタマゴの番組内で、樹木医の仕事などの質問を受けました。
担当は美人ミミーキャスターの岡本結季(左)さんと津田ひかる(右)さんでした!!

カタルパ倒木 大江小学校

熊本市立大江小学校のシンボルツリ-として大切にされていたカタルパ(アメリカキササゲ)が台風3号で7月4日の午前9時40分ごろに倒木しました。7月8日(土)に復元(引き起こし)を実施する予定でしたが、大雨の影響で13tクレーン車がグランドに入場できないとの判断で延期して、7月15日に無事施工できました。 倒木の主な原因として強い風圧は当然ですが、植栽されていた場所が根腐れ(排水不良)状態であり根量が疎であったことも確認できました。掘削の際に溝(どぶ)の悪臭が発散していましたので対策も早めに講じなければなりません。幸いなことに剪定後に新芽(写真-1)が発生しておりカタルパの生命力の強さを実感しましたが、これからの養生管理が重要です。

このカタルパさんは、徳富記念園にある2世の挿し木でクロ-ン(分身)です。明治13年1月にアメリカ(オハイヨ州)から新島襄に送られて来日し、同年11月に徳富蘇峰に贈られた種子の子供になります。昭和62年4月に、野水館長(当時)が2世の枝を挿し木していた苗を大江小学校へ贈り、記念植栽したと伝えられている。

写真-1 新芽

熊本県指定天然記念物「寂心さんの大樟」の報告

平成29年7月3日に熊本県・市の文化財委員会が現地で開催されました。熊本大学名誉教授の内野先生、東海大学教授の長野先生、地元の区長さんらで「寂心さんの大樟」の樹勢回復工事を詳しく検証し、昨年より葉量・葉色・葉形が回復している兆しがあり、樹勢の回復が確認されました。そのことが熊本日日新聞に掲載されました。

熊本日日新聞 2017・7・4 朝刊

熊本日日新聞 2017・7・4 朝刊

2017・7・3 樹冠撮影・高所診断中

2017・7・3 樹冠撮影・高所診断中

クスノキ熱中症タイプによる枯死の一例

熊本市北区楠地内の市道街路樹で枯死したクスノキは根元がコンテナ状態(鉢植え)で乾燥しやすく植栽基盤が劣悪だったことが大きな原因です。これらはクスノキ炭疸病による病死が原因ではありません。

写真-1

写真-1

写真-2

写真-2

写真-3

写真-3

このクスノキ街路樹は、2年前の5月下旬に強剪定され、萌芽枝がクスノキ炭疸病に罹病して枝枯れしていました。クスノキ炭疸病については、樹木診断研究会が指導して再生緑化(写真-6)できました。

写真-4

写真-4

写真-5

写真-5

平成29年4月 再生緑化

平成29年4月 再生緑化 写真-6

 

大智禅師(1290-1367)を訪ねて・・石川県白山市 6月22日

御仏供杉(おぼけすぎ・おぶくすぎ)国指定天然記念物

御仏供杉(おぼけすぎ・おぶくすぎ)国指定天然記念物

大智禅師(坐像)

大智禅師(坐像)

1330年頃に菊池一族が大智禅師(坐像)を招聘。禅師が祇陀寺を去るときに挿し木した杉が御仏供杉(おぼけすぎ・おぶくすぎ)国指定天然記念物です。樹齢約700年!
大智禅師が菊池へ行くときに、墨染桜(菊池)を持参した可能性がありますが、親株は樹齢150年位で疑問があります。菊池14代の武人公(寂照)が1368年頃に詠われた詩は残されていますが、墨染桜はオオシマ桜系統で園芸価値の高い品種で調査中です。

案内して頂いた立花樹木医です

案内して頂いた立花樹木医です

墨染桜(菊池市寺尾野)

墨染桜(菊池市寺尾野)

堂形のシイノキ(国指定天然記念物・樹齢300年・2本で1対)

堂形のシイノキ(国指定天然記念物・樹齢300年:2本で1対)

しいのき迎賓館

しいのき迎賓館

白山ヒメ神社(しらやまひめじんじゃ)

白山ヒメ神社(しらやまひめじんじゃ)

霊水を頂きました。感謝!!

霊水を頂きました。感謝!!

ミヤマキリシマ と 寂心さんの不思議な樹形

ミヤマキリシマ(Rhododendron kiushianum) ツツジ科

九州の山地で、標高1000m前後から自生しており、低山ではヤマツツジとの交雑種があります。花の特徴としては、花弁に斑点(ブロッチ)がありません。市房山(1722m)には地層が古いので自生はなく、その替わりにコメツツジ・ツクシアケボノツツジがあります。

ミヤマキリシマ・阿蘇外輪山(鞍岳) 5月18日

ミヤマキリシマ・阿蘇外輪山(鞍岳) 5月18日

ゴマギ(スイカズラ科) ゴマの香り

ゴマギ(スイカズラ科) ゴマの香り

寂心さんの不思議な樹形

鷹(タカ)

鷹(タカ)

アシカの群れ

アシカの群れ

ヘビの頭?

ヘビの頭?

キリン(カマキリ)

キリン(カマキリ)

象のお尻

象のお尻

亀の頭

亀の頭

カタルパの花が咲いた!!

徳富記念園のアメリカキササゲ(ノウゼンカズラ科)の花が例年より少し遅く
咲き始めました。大型の花弁が波を打つような花形で豪華さを感じさせ芳香も漂うなど清楚で癒し系のシンボルツリーです。
このカタルパは、北アメリカ原産で明治13年11月27日に新島譲から徳富蘇峰に贈られた種子を育成したものです。日本最古のカタルパは新宿御苑(東京)で明治7年に栽培された記録があります(新宿御苑 金井利彦1980年)。
最近になって分った事ですが、津田仙(津田梅子の父)は明治9年から農業雑誌を創刊し、明治25年~26年までカタルパの苗を1本5銭から10銭で通信販売していました。このときの苗が、国内で巨樹・老木に生長している可能性があると思われます。農業雑誌での広告では、オハヨ梓(原名カタルパ)として販売していました。その解説文は、其葉大にして成長迅速で殆ど桐樹と伯仲し庭園に植えて装飾となすべく、又路傍並樹に適す。其花美しく艶やかで何回も見れる。其の材は永く腐朽することがないので鉄道の枕木及び電信柱などに最適である。

オハヨ梓(カタルパ)とはオハイヨ州(アメリカ)で種子を採集した産地名で、梓はトウキササゲという漢名を間違って付けたと思われます。明治13年1月8日付けで新島譲にカタルパ種子を封筒(同士社大学資料室に保存)に入れて贈った実業家のバーニーもオハイヨ州に住んでいました。余談ですが徳富蘇峰は西洋梓として書いています。

カタルパの花(徳冨記念園)  平成29年5月14日

カタルパの花(徳冨記念園)  平成29年5月14日