白川小学校の大エノキは生き残れるか!

今村樹木医の挑戦

 熊本市立白川小学校のシンボルツリ-の大エノキが伐採の危機に瀕しています。樹高20m・幹周4.0m・枝幅15mの巨樹で、樹齢は約150年と云われています。主幹には開口部が複数あり、大きな空洞部では筒抜けになっている場所もあり腐朽率は60%以上と推定されます。現状のままでは強風で倒木の可能性が高いと診断される危険木です。さらに石のサークルで根元を囲い、盛り土状態で支持根が発達していないのも気がかりです。シンボルツリ-でなければ、伐採は当然かもしれません。1945年7月の熊本大空襲で焼け残ったエノキの貴重な1本でもあり、歴史の生き証人をどうしても助けたいのです!!

着工前・東側

着工前・東側

着工前・北側

着工前・北側

写真-1・筒抜け空洞

写真-1・筒抜け空洞

写真-2・焼け跡・大空襲か雷

写真-2・焼け跡・大空襲か雷


樹冠状態・枯れ枝が多い

樹冠状態・枯れ枝が多い

幹周4.0m

幹周4.0m

地上部の台風・倒木対策として、切り詰め剪定・ワイヤ-ロ-プ巻・幹巻・蒸散抑制剤散布などの作業をしました。

切り詰め剪定

切り詰め剪定

切り詰め剪定

切り詰め剪定

ワイヤ-ロ-プ(3重巻)3ヶ所で補強

ワイヤ-ロ-プ(3重巻)3ヶ所で補強

幹巻・緑化テ-プ

幹巻・緑化テ-プ

完了・東側

完了・東側

完了・北側

完了・北側

落葉後に土壌改良、養生管理を実施しながら支持根の強化を図り、自分の力で倒木しないような強い根系を目指します。児童会も水かけ、声掛けで応援してもらいたい。

令和2年8月24日~25日