令和元年12月20日
1640年ごろに細川忠興公が「八代から百花の魁となる人材出でよ」と念じて植えた樹令400年の老梅です。 11月に 復元工事は無事完了しましたが、これからの養生管理次第で樹勢が回復するのか、衰退するのかの大事な時期に来ています。養生管理で大切なことは、細根を増やして根力を強くすることが重要で、このことが樹勢回復へと繋がります。さらに土壌改良・腐朽部処理・日照不足・透水性・メタセコイア根の進入根切断・病害虫防除などの年間管理へと続き、元気になっていく姿を愉しみながらの老々介護になります。
梅は中国原産で薬木・観賞用として渡来しましたが、野梅は一重の白花小輪です。臥龍梅は淡紅色の八重咲で、開花時期は3月頃になり遅咲きです。果実は5月下旬に大玉が成ります。開花後に樹勢を診ながらの軽剪定になりますが、2年~3年後に根力が強くなれば強剪定する計画です。腐朽部のウレタン補填はしないで防腐剤を塗布するだけのありのままの老樹の姿を維持できるようにします。道路や参道からも臥龍梅が見やすくなり、歴史を感じさせる老梅を復元でき八代市民の多くの人々にも観賞していただきたい。
樹勢衰退した主な原因は、排水不良(停滞水)・土壌固結(玉砂利敷き詰め)・土壌硝酸態の不足・日照不足・風通し悪化・メタセコイア根の障害などではないかと考えています。臥龍梅は植樹後380年が経過して、環境変化によく耐えて生き延びてきたなと感心しています。養生管理のバトンは確かに受け継ぎました!