梅雨時期はベッコウタケの子実体(きのこ)がケヤキ・サクラなどの根元に多く発生し、その部位や腐朽状態により倒木の可能性が高まります。しかしながら、ベッコウタケ幼菌が発生しただけで伐採という診断では、街路樹がかわいそうです。とくに天然記念物など文化的価値の高い樹木は腐朽部の状態により延命治療の選択肢もあり、的確な診断と樹木医の経験(実績)が問われます。もちろん安全確保は最優先です!! 伐採は最高の安全対策ですが、ベッコウタケの駆除技術を高めることは都市緑化を守ることにも繋がると考えられますので、樹木医さんは駆除事例を共有して研究しましょう!!
倒木したケヤキには、子実体(きのこ)が発生しなかった? 空洞部内には、腐朽菌の菌糸がありますが、停滞水による根腐れ(フザリウム菌)の可能性もあります。
ベッコウタケの防除例
国指定天然記念物「麻生原のキンモクセイ」
対策例(参考です)
① 子実体(きのこ)と菌床(腐朽部)を切除し、その後に防腐剤(A)と防腐剤(B)を染み込むように塗布。月1回~2回は塗布し、この作業は11月頃まで続けます。
② つぼ穴式土壌改良で根量を増加し、活力剤・発根促進剤等を散布して樹勢を回復させます。
③ 夏場の高温時には、樹体温度を下げるために主幹・枝葉にミストをかけます。
④ 翌春も観察を継続しますが、子実体が再発すれば、それを切除して再度防腐剤(AとB)を塗布します。子実体が再発しなくなるまで繰り返して塗布します。
⑤ 現在の対象木はベッコウタケの発生はありません。
ベッコウタケを完全に駆除することは困難ですが、延命措置という選択肢は残されています。腐朽状態(倒木の可能性)や樹勢も診断しながら、さらに安全対策も講じて作業しなければなりません。最近では、倒木により死亡事故や物損事故などの被害も増加しており、慎重で早急な対応・対策が求められています
自然倒木について
支持根・直根が腐れて、弱い風で倒木した例です。