2019年7月に熊本市東区の神社や街路樹などで、クスベニヒラタカスミカメによる被害と思われるクスノキが県内で初めて確認されました(写真-1)。この種は2015年から、関西地方で発生し全国に拡散しはじめている外来種で、まだ生態や防除方法が良くわからないカメムシの仲間です。
防除対策は、熊本市で発生した「クスノキ炭疸病」について(TREE-DOCTOR NO.25号 2016年)で発表した対策でも効果が期待できるのではないかと考えています。クスベニヒラタカスミカメも吸汁性昆虫で、炭疸病の発生を媒介しており、クスクダアザミウマやクスオナガアブラムシと同様の防除方法が可能であると考えられます。この罹病木(写真-1)は落葉後に新芽が伸びはじめており回復しますが、この新芽は特に寒さに弱いので早めの防寒対策が必要です。
緊急の対策として、「クスベニヒラタカスミカメ」は葉柄などに産卵していると云われ、「炭疸菌」も葉に発病しているなど、被害拡大を防ぐために落ち葉や枯れ枝は集めて焼却処分します。アセフェ-ト粒剤を根元に散粒し、殺菌剤、殺虫剤散布はドリフト(飛散)防止に心がけます。他の吸汁性昆虫も含めて防除するマニュアルを検討すべき時期と思います。