この「枝変わり」は杉並木では大変珍しく、スギ葉の突然変異と思われます。スギの斑入り園芸品種では、メジロスギ・セッカンスギなどがありますが、この黄金斑は固定していませんので消滅の恐れがあります(菊陽町原水)。何かの良い前兆であれば嬉しいですね!
屋久杉伝説を少し検証しましょう!!
推定樹齢250年以上のスギ(初代菊陽太郎)が倒木して、保存育種のために挿し木したのが二代目菊陽太郎(写真-1)という後継樹です。この菊陽太郎はスギの変種でアシウスギ (Cryptomeria japonica var.radicans)の系統ではないかと私は考えています。この変種の特徴は葉の開く角度が狭く(写真-2)、手で触ってもチカチカしない、伐採されても萌芽力が強く再生が早いこと等です。別名はウラスギとも呼ばれています。
屋久杉(写真-3)は実生の地方品種で、若木の葉の開く角度が広い(写真-4)ので、トゲがありチカチカして痛いのも屋久杉の特徴です。これは屋久鹿・屋久猿からの防御として進化したと云われています。遺伝解析は森林総研九州で行われるそうですから、結果を楽しみにしています。さらに健軍神社の参道並木も屋久杉ではないと考えています。
菊陽太郎と国指定天然記念物「手野のスギ」は血縁関係あり!!
2014年に、菊陽太郎と手野のスギをDNA鑑定(葉緑体の塩基配列の比較)して、血縁関係があることが判りました。推定樹齢2000年と云われる国造神社の「手野のスギ」と菊陽太郎はアシウスギ系統で、葉を触っても痛くありません。仮説ですが、大津菊陽杉並木は「手野のスギ」の子孫の可能性も否定できません。国造神社は豊後街道沿い(阿蘇市手野)にあり、樹高60m・幹周12mの県下最大のスギでした。